朝、店のシャッターを開けると、留守番電話のランプが点滅しています。再生すると、無言で切れた着信がいくつかと、「また電話します」とだけ残された伝言が一件。かけてきた人は、営業時間外だとわかったのか、それとも諦めてほかの店に電話したのか。こちらには確かめようがありません。
電話自動応答メッセージは、お店や会社が電話に出られないときに、最初にお客様と話す「声」です。ここが曖昧だと、お客様は何をすればいいのかわからないまま電話を切ってしまいます。逆に、短くはっきりしたメッセージなら、「何時にかけ直せばいいか」「伝言を残せばいいのか」がその場で伝わります。
この記事では、営業時間外、定休日、年末年始、混雑時など、よくある場面ごとにそのまま使える例文を紹介します。あわせて、録音前に確かめたいこと、避けたい言い回し、自動応答に任せず人が出るべき電話についてもまとめました。
電話自動応答メッセージの基本の型
どの場面でも、伝えることは次の四つです。
- 名乗り:どこにかかったのか(店名・会社名)
- 状況:なぜ今出られないのか(営業時間外、休業日、対応中など)
- 次の行動:お客様にしてほしいこと(かけ直す、伝言を残す、ホームページを見る)
- 締め:お礼や、折り返しの目安
長さは、ゆっくり読み上げて二十秒から三十秒くらいに収めるのが目安です。それより長いと、肝心の「次の行動」にたどり着く前に切られやすくなります。
そのまま使える電話自動応答メッセージの例文
〇〇の部分は、店名や時間に置き換えてください。
営業時間外
お電話ありがとうございます。〇〇でございます。ただいま営業時間外のため、電話に出ることができません。営業時間は、平日午前〇時から午後〇時まででございます。恐れ入りますが、営業時間内に改めておかけ直しください。ご用件のある方は、発信音のあとにお名前とお電話番号、ご用件をお話しください。翌営業日に折り返しご連絡いたします。
定休日・臨時休業
お電話ありがとうございます。〇〇でございます。本日は定休日のため、お休みをいただいております。明日は午前〇時より通常どおり営業いたします。ご予約やお問い合わせの方は、発信音のあとにお名前とご連絡先をお残しください。
臨時休業の場合は、「本日は都合により臨時休業とさせていただいております」に言い換えます。理由を細かく説明する必要はありません。
年末年始・長期休暇
お電話ありがとうございます。〇〇でございます。誠に勝手ながら、〇月〇日から〇月〇日まで、年末年始休業とさせていただいております。〇月〇日より通常どおり営業いたします。休業中にいただいたご伝言には、営業再開後、順次ご連絡いたします。
お盆やゴールデンウィークも同じ形で使えます。休み明けの日付を必ず入れるのがポイントです。
混雑時・話し中
お電話ありがとうございます。〇〇でございます。ただいま電話が大変混み合っております。申し訳ございませんが、しばらく経ってからおかけ直しいただくか、発信音のあとにお名前とお電話番号をお残しください。順番に折り返しご連絡いたします。
作業中・外出中(個人事業の方向け)
お電話ありがとうございます。〇〇です。ただいま作業中のため、電話に出ることができません。発信音のあとにお名前とご用件をお話しいただければ、本日中に折り返しご連絡します。
「本日中」と約束できない日は、「なるべく早く」と言い換えてください。守れない約束を録音するより、正直な表現のほうが信頼されます。
業種ごとのひと工夫
- 飲食店:予約の電話が多いなら、「ご予約の方は、ご希望の日時と人数をお残しください」と、伝言の中身まで指定すると折り返しがスムーズです。
- 工務店・設備業:「水漏れなどお急ぎの方は」と緊急時の案内を一言入れるかどうかを、あらかじめ決めておきます。
- 宿泊施設:チェックイン時間帯の到着連絡など、深夜でも人が対応すべき用件があるかを先に整理します。
ある一日の例:小さな工務店の場合
夫婦二人で営んでいる工務店を想像してみてください。事務所の電話は一本だけで、日中は二人とも現場に出ていることがほとんどです。
- 午前7時40分:出勤前のお客様から、「台所の水栓の交換を頼みたい」という電話。自動応答メッセージが営業時間を伝え、お客様は名前と番号、用件を残してくれました。
- 午前10時15分:現場で作業中に着信。以前は呼び出し音が鳴り続けて切れていましたが、今は「作業中のため出られません。ご用件をお残しください」と流れるので、相手も待ちぼうけになりません。
- 午後0時30分:昼休みに伝言を確認し、朝の水栓の件に折り返し。翌日の見積もり訪問が決まりました。
- 午後8時:「雨漏りがしている」という電話。メッセージで緊急時の案内をしていたため、お客様は「急ぎ」とはっきり伝言を残してくれ、翌朝いちばんに対応できました。
どれも特別な仕組みではありません。メッセージの中で「次に何をすればいいか」を伝えているかどうか、それだけの違いです。職人さん向けの電話の受け方は、職人・設備業向けのページでも紹介しています。
録音前のチェックリスト
録音する前に、次の項目を確認してください。
- 冒頭で店名・会社名を名乗っているか
- 営業時間や休み明けの日付が、今の情報と合っているか
- お客様にしてほしい行動が一つにしぼられているか
- 伝言に残してほしい項目(名前・電話番号・用件)を伝えているか
- 折り返しの目安を、守れる範囲で伝えているか
- 三十秒前後に収まっているか
- 静かな場所で、ゆっくり、はっきり録音したか
- 自分の携帯から実際にかけて、聞き取りやすいか確かめたか
最後の項目は特に大切です。録音した本人には聞き取れても、電話越しだと早口に聞こえることはよくあります。
避けたい自動応答メッセージ
情報が古いまま 年末年始の案内が二月になっても流れている、というのは意外とよくある失敗です。休みが終わったら、その日のうちに通常のメッセージへ戻しましょう。
前置きが長すぎる お店の紹介やキャンペーン情報を長々と流すと、お客様は用件を伝える前に切ってしまいます。宣伝はホームページに任せましょう。
番号選択が多すぎる 「〇〇の方は1を、〇〇の方は2を」が四つも五つも続くと、聞いているうちに最初の選択肢を忘れてしまいます。小さなお店なら、選択肢はないほうが親切なことも多いです。
折り返さない 「折り返しご連絡します」と録音したなら、必ず連絡しましょう。メッセージの文面よりも、この約束を守ることのほうが信頼につながります。
自動応答に任せず、人が出るべき電話
自動応答メッセージは、伝言を受けるための仕組みです。ただ、次のような電話は、できるだけ人が直接受けるか、すぐ折り返せる体制にしておくべきです。
- 事故、設備の故障、体調の急変など、時間との勝負になる用件
- 強い不満やクレームで、感情が高ぶっているお客様
- 込み入った見積もりや契約の相談など、やり取りを重ねないと進まない話
- 高齢のお客様など、録音された音声だと戸惑いやすい方からの電話
緊急の連絡先を案内するかどうか、するならどの番号にするかは、業種や体制によって判断が分かれます。夜間に誰も出られない日に緊急番号を流してしまうと、かえってお客様を困らせることになります。対応できる範囲で決めてください。
まとめ:今日やること
まずは今流れているメッセージを、自分の携帯からかけて聞いてみてください。名乗り、状況、次の行動、締めの四つがそろっているか確かめ、足りないものがあれば、この記事の例文をもとに書き直します。そのうえで、次の長期休暇用のメッセージも今のうちに用意しておくと、休み前に慌てずに済みます。
よくある質問
自動応答メッセージの長さはどれくらいがいいですか?
ゆっくり読み上げて二十秒から三十秒くらいが目安です。名乗り、出られない理由、次にしてほしいこと、締めの四つだけに絞れば、たいていこの長さに収まります。それ以上長くなると、お客様が伝言を残す前に切ってしまいやすくなります。宣伝や細かい案内は、ホームページなどにまとめましょう。
自分の声で録音するのと、合成音声とではどちらがいいですか?
どちらでも問題ありません。大切なのは聞き取りやすさです。小さなお店なら、店主の声で録音すると親しみやすく感じてもらえることもあります。自分の声に自信がなければ、合成音声やほかのスタッフに頼むのも一つの方法です。録音したら、必ず実際に電話をかけて聞き取りやすさを確かめてください。
営業時間外のメッセージに、ホームページの案内を入れてもいいですか?
入れても構いませんが、一言で済ませましょう。「詳しくはホームページをご覧ください」程度なら負担になりません。ただし、アドレスを音声で長々と読み上げるのはおすすめしません。電話越しでは聞き取りにくく、メモも取りづらいからです。店名で検索すれば見つかるようにしておくほうが現実的です。
伝言を残さずに切られてしまうのを減らすには?
伝言に何を残せばいいのかを、具体的に伝えることです。「お名前、お電話番号、ご用件をお話しください」とはっきり言うだけでも、残してもらいやすくなります。「翌営業日に折り返します」のように、いつ連絡が来るのかがわかると、お客様も安心して伝言を残せます。
Ringhumについて 録音メッセージは「伝言を預かる」ところまでしかできません。Ringhumは、営業時間外や手が離せない時間帯の電話にAIが応答し、予約の受付やよくある質問への回答、伝言の記録まで行う電話受付サービスです。一方で、緊急の用件や込み入った相談は、人が対応すべき場面です。どこまで任せられるかは業種によって変わるため、料金や仕組みは料金ページで確認してから判断してください。